始まりの猫
我が家には、2匹の猫(さび猫)、茶トラ)がいます。
当初は1匹、茶トラのみを飼う予定でした。
2匹になったきっかけは、始まりの猫。
彼女も茶トラの猫でした。家族が飼えなくなった猫は、一人暮らしを始める私と一緒に埼玉に来ました。
彼女にしてみれば、埼玉の奥地へ、ろくに面識もないおやじと一緒に運ばれ、さぞ迷惑なことだったと、思います。
へこんでいる時は彼女に慰められ、
一緒に笑い、
繰り返しの毎日を何年も彼女と一緒に過ごしました。
時を重ね、私は結婚し、3人で暮らすようになりました。
白髪交じりのおじさんになり、お転婆だった彼女は寝てばかり。高いところに飛び乗ることもできません。
彼女が亡くなってから不思議と旅先でたくさんの猫に会いました。
猫好きの妻と私に恩返ししている、そう思えました。彼女が亡くなった当初は、すぐに猫を飼うことになるとは思いもしませんでしたが、出会いがあり、同じ茶トラの猫だということもあり、保護猫(茶トラ)を引き取ることにしました。姉妹猫なので2匹でお願いできませんかと勧めていただき、すぐに彼女の恩返しだなと分かりましたので、茶トラ、さびの姉妹を家族として迎えることになりました。
彼女と暮らした最終日、一緒に暮らした部屋の一部屋一部屋をゆっくりと彼女に見せて回りました。リビング、寝室、畳、ベランダ。
妻と3人一緒に同じ部屋で寝て、たくさんのたくさんのお線香をあげ、お墓へ。
妻と泣いて、泣いて。
ありがとう。いつか、また、会えるかな?